ボルスタアンカー

ダイレクトマウント台車におけるボルスタアンカー(薄紫で示した部材)。
ボルスタアンカー付き台車の例。
近畿車両KD76形ダイレクトマウント台車。

ボルスタアンカー(英:bolster anchor)は鉄道車両の台車を構成する部材のひとつである。枕ばり(ボルスタ)を有する台車に用いられるもので、上下動を吸収する枕バネに設けられ、台車の牽引力およびブレーキ力の伝達や、車体との間の旋回剛性付与といった機能を果たす。

基本的な機構

台車に求められる性能

図1-1 台車に求められる性能。

鉄道車両の台車は輪軸を保持し車両の重量を支えるとともに、走行時に生じる振動・衝撃を吸収・緩和する働きを持つ。さらに鉄道車両が線路の曲線部にさしかかった場合には、台車そのものが回転し、円滑に走行できるものでなければならない。

このような機能を果たすため、台車には輪軸を支える軸バネ、車体を支える枕バネの2種類のバネが設けられている。このうち軸バネは輪軸の上下動を吸収するのみであるが、枕バネは上下動の吸収とともに台車の回転を許容する必要がある(図1-1)。

枕バネの重量を支えつつ回転させるという要求性能に対し、いくつかの機構が存在する。20世紀後期に開発されたボルスタレス台車では、枕ばねそのものを横方向に変形させる[1]ことで台車の回転に対応しているが、それ以前は枕ばり(ボルスタ)と呼ばれる部材を介して、回転を許容する機構が主流であった。

枕ばりの機構

図1-2 枕ばりを介した台車の回転
(a)側面図
ダイレクトマウント台車の回転 側面図
(b)断面図
断面図

枕ばりは、枕バネの上端か下端もしくはその両方に設けられ、心皿および側受と呼ばれる部材と接しており、台車の回転を許容する働きを持つ。すなわち枕ばりを持つ台車は、求められる二つの機能を以下のように分離している構造となっている。

  • 上下動の吸収 - 枕バネ
  • 台車の回転 - 枕ばりと心皿・側受

図1-2は枕ばりを有する台車の回転を示したものである。この方式の台車は、ダイレクトマウント方式と呼ばれるもので、車体に設けられた枕バネは枕ばりの上に乗っており、枕バネ自体は回転しない。一方、枕ばりは台車枠の横ばりと、中心ピン・心皿・側受でつながっている。側受や心皿は枕ばりからの上下方向の力を受けるものであるが、平面的には滑る構造となっており、枕ばりと台車枠は中心ピンを中心に回転することができる。

このように枕ばりを有する台車では、枕バネを上下動の吸収のみに用い、台車の回転は枕ばりを介して行う構造となっている。この方式のほか、枕ばりを有する台車には、枕ばりを枕バネの上に設置し車体との間で回転を許容するインダイレクトマウント方式や、側枠からスウィングアームで下揺れ枕と称する枕ばりを吊り下げてその上に枕バネを置き、さらにその上部に心皿と側受[2]を支える上揺れ枕を備えるスウィングハンガー方式などがある。いずれも心皿・側受と枕ばりの間で台車の回転を行い、枕バネそのものは回転しない構造である。

牽引力を伝達するボルスタアンカー

図1-3 ボルスタアンカーの動き
(a)側面図
ダイレクトマウント台車の回転 側面図
(b)断面図
断面図

写真2 小田急5000形電車のボルスタアンカー(ダイレクトマウント方式)。

前述の通り、枕ばりを有する台車では、枕バネは上下動のみに抵抗し、回転など横方向の変形は許容しない構造を前提としている。また、台車は車両から外れないように前後方向の拘束を行い、台車からの牽引力を車体に伝達しなければならない。しかしながら、枕バネは一般に横方向の剛性が低く、台車と車体の間に生じる前後方向の力を伝達するには至らない。

このとき必要となるのがボルスタアンカーである。ボルスタアンカーは、枕バネの上端・下端を前後方向に拘束し、牽引力やブレーキ力を伝達するものである。一般に棒状の部材であり、前後方向の力を伝達するため台車の両側面に水平方向に配置される。枕バネの両端を結ぶ構造であることから、その多くは上下方向にブラケット(受け具)を設けた上で、水平方向を結ぶ構造となっている。また、上下に伸縮する枕バネの伸縮を妨げないよう、ボルスタアンカーの両端はピン結合、もしくはゴムブッシュを介した結合方法[3]とし、上下方向の変形を許容している。

図1-3はダイレクトマウント方式における、ボルスタアンカーの働きを示したものである。この方式では、枕バネは車体の直下に配置されるため、ボルスタアンカーは車体と枕ばりを結ぶように配置される。側面図に示すように、車体から受け具を下ろし、受け具と枕ばりをボルスタアンカーにより連結することで、車体と枕ばりの前後方向の力を伝達する構造である。前述のとおり、ボルスタアンカーの両端はピン構造となっており、上下方向の伸縮を逃がしている。ボルスタアンカーにより枕ばりまで伝達された前後方向の力は、中心ピンにより台車枠へと伝達する。上下方向を含めた力の伝達経路を表1に示す。

表-1 ダイレクトマウント方式の力の流れ
Bolster truck mechanism.gif
伝達箇所 車両重量(上下方向) 牽引力(前後方向)
車体 - 枕ばり(3) 枕バネ(1) ボルスタアンカー(2)
枕ばり - 台車枠 側受(4)・心皿 中心ピン(5)
台車枠 - 輪軸 軸バネ 軸箱支持装置

ボルスタアンカーの特長

図2-1 スイングハンガー式枕ばり台車(1点支持)。揺れ枕守方式。
図2-2 スイングハンガー式台車の動き。

揺れ枕守方式とその欠点

前節では、ボルスタアンカーの基本的な役割とその機構について、枕ばり台車において牽引力(前後方向の力)を伝達するものとして解説した。しかしながら、枕ばり台車の牽引力伝達は、必ずしもボルスタアンカーによる必要はなく、より簡便な機構でも可能であった。ここでは、枕ばり台車における牽引力伝達方式の変遷について述べるとともに、ボルスタアンカーの特長について解説する。

図2-1は、スイングハンガー方式(揺れ枕吊り方式)と称する台車形式であり、枕ばり台車では古くから広く用いられてきた形式である。この形式では、上揺れ枕、下揺れ枕と呼ばれる2本の枕ばりを有し、枕バネはこの2本の枕ばりの間に設置される。また、下揺れ枕は台車枠から「吊りリンク」と呼ばれる部品により吊り下げられており、左右に揺れる構造となっている。この構造は、台車に作用する左右方向の衝動を緩和する働きを持つ。

さて、図2-1で示した台車は、スイングハンガー方式の中でもさらに歴史の古い形式であり、中心ピンのみで車両の重量を支える1点支持方式である。側受は原則として荷重を受けておらず、車体傾斜時のみに車体を預ける転倒防止装置であった。また、牽引力の伝達についても揺れ枕守(ゆれまくらもり)という方法によっている。スイングハンガー方式では、上揺れ枕と台車枠の間で牽引力の伝達が必要となるが、古い台車では上揺れ枕と台車枠の間に「すり板」を設け、相互に振動する部材(上揺れ枕と台車枠)を接触させることで、牽引力の伝達を行う揺れ枕守方式が主流であった。

揺れ枕守は、すり板1枚で牽引力の伝達が行えることから、構造が簡単で安価な手法である。その一方で、台車の揺れにより絶えず摺動(しゅうどう)を起こしていることから摩耗し、走行に応じて台車枠と上揺れ枕の間に隙間を生じ、牽引力の伝達に「がたつき」を起こすことが欠点である。スイングハンガー方式台車は部材点数が多く、それぞれの部材の拘束が少なく自由度が高いことから、複雑な揺れを示す(図2-2)。この揺れによって、揺れ枕守は激しい摩耗を起こし、前後方向にがたつきを生じることで、さらに揺れが増すといった悪循環を引き起こしやすい。

改善できる効果

スイングハンガー方式空気ばね台車に設置されたボルスタアンカー。国鉄キハ80系気動車

このような問題は列車の高速化にともなって、より顕著となる。揺れ枕守による前後方向のがたつきは、上揺れ枕に対し前後方向の自由度を与え、台車蛇行動の原因となる。蛇行動は列車が直線を高速で走行する場合に発生する現象で、輪軸や台車・車体が鉛直軸周りの自励振動を起こすものであり、台車や車体を左右に激しく振動させる。これは乗り心地を損なうばかりでなく、脱線などの重大事故の原因となるもので、高速化の障害となる現象である。

蛇行動の原因は、走行速度、車輪の形状、輪軸の支持方法、軸距、さらには車両の剛性・減衰性能・質量などが関連する複合問題である。この中でも台車の構造は蛇行動に与える影響が大きく、様々な研究・対策が行われてきた。蛇行動に対する対策のひとつは、適切な剛性の確保である。1点支持による車体支持機構と揺れ枕守による牽引力伝達は、揺れ枕の中央のみが拘束されていることから、必要以上に水平面での回転を起こしやすく、蛇行動に対する必要な剛性を欠く構造であった。

そこで、心皿・中心ピンといった揺れ枕の中央部のみの固定ではなく、揺れ枕両端を前後方向に支持することが必要とされ、側受での荷重支持とボルスタアンカーといった手法が用いられるようになった。側受により積極的に上下方向荷重の1部を枕ばりの両端で受け、その摩擦力で前後方向の支持を行い、ボルスタアンカーは牽引力の伝達を枕ばりの両端で行うことで前後方向を拘束するものである。いずれも主たる目的は荷重の伝達であるが、副次的に蛇行動を抑える効果を有する。

ボルスタアンカーのバリエーション

枕ばり台車とボルスタアンカー

ここまで機構の解説に紹介した枕ばり台車は「ダイレクトマウント方式」と呼ばれるもので、枕バネを車体の直下に配置し、台車の回転を枕バネと台車枠の間で行う方式である。この方式は歴史的に比較的新しいものであり、枕ばりを用いた台車にはこのほかにも多数の形式がある。いずれの形式の場合でも、ボルスタアンカーは枕バネの上下端を前後方向に拘束する構造であるが、形式の違いによりボルスタアンカーの取り付け位置に差異が見られる。

また、前節で述べたとおり、牽引力の伝達は揺れ枕守による場合もあり、ボルスタアンカーは枕ばり台車に必ずしも設けられるものではない。台車の変遷から、スイングハンガー方式にはボルスタアンカーのないものが比較的多く見られるほか、インダイレクトマウント方式でも揺れ枕守による牽引力伝達を行う形式も希ながら存在する。

スイングハンガー方式

スイングハンガー方式では、2本の枕ばり(揺れ枕)を有しているが、ボルスタアンカーは上揺れ枕と台車枠の間のみに取り付けられる。ボルスタアンカー付きスイングハンガー方式台車では、荷重は以下のように伝達する。

車体重量(上下方向荷重)
車体 - 心皿・側受 - 上揺れ枕 - 枕バネ - 下揺れ枕 - 吊りリンク - 台車枠 - 軸バネ
牽引力(前後方向荷重)
車体 - 中心ピン - 上揺れ枕 - ボルスタアンカー - 台車枠 - 軸箱支持装置

インダイレクトマウント方式

図3-1 インダイレクトマウント方式台車

図3-1はインダイレクトマウント方式と呼ばれる枕ばり台車の形式である。この形式では、車体と枕バネの間に枕ばりを設けて台車の回転を行っている。台車全体が回転するため、ボルスタアンカーは枕ばりと台車枠の間に設けられており、この方式の台車では車体からの力は以下のように伝達される。

車体重量(上下方向荷重)
車体 - 側受・心皿 - 枕ばり - 枕バネ - 台車枠 - 軸バネ
牽引力(前後方向荷重)
車体 - 中心ピン - 枕ばり - ボルスタアンカー - 台車枠 - 軸箱支持装置

以下にインダイレクトマウント方式台車のボルスタアンカー事例について示す。一般に空気バネが用いられるが、コイルばねの横剛性を利用した東急車輌TS-301[4]などのようにコイルバネ式の事例も見られる。ダイレクトマウント方式と同様、一般にボルスタアンカー受けが設けられるが、TR223G形のように台車枠の形状を利用し、ボルスタアンカーを直結している台車もある。

仮想心皿方式

図3-2 直角クランクピンとボルスタアンカーによる台車の回転

枕ばり機構を持つ台車では、中心ピンと心皿の作用により台車を回転させている。しかし、台車左右に配置されるボルスタアンカーを直角クランクピンで連結すると、回転中心となる箇所に心皿や中心ピンを設けることなく、台車を所定の位置で回転させることができる。このような心皿を用いない台車の回転機構を仮想心皿方式と呼ぶ。

図3-2に直角クランクピンとボルスタアンカーによる仮想心皿方式台車の回転機構を示す。ボルスタアンカー(牽引力伝達棒)の一端は車体に固定され、もう片方は台車枠に取り付けられたクランクピンと結ばれている。左右のクランクピンはロッドにより連結されており、相互のクランクピンの作用により、台車はあたかも心皿を中心に回転するような動きができる。

この形式の台車では、枕バネの配置はダイレクトマウント方式に近い構造となるが、回転を許容する枕ばり(ボルスタ)のない一種のボルスタレス構造であることから、枕バネは台車の旋回による変形に耐える構造が求められる。また、ボルスタを有しないことから、牽引力伝達棒をボルスタアンカーとは呼ばず、単に引張棒または押棒と呼ぶ場合がある。

この形式における力の伝達を以下に示す。枕ばりや心皿を持たないため、伝達機構は比較的単純である。

車体重量(上下方向荷重)
車体 - 枕バネ - 台車枠 - 軸バネ
牽引力(前後方向荷重)
車体 - ボルスタアンカー(引張装置) - 台車枠 - 軸箱支持装置

一般に仮想心皿方式が用いられるケースとして、以下の2点が挙げられる。

  • 駆動機構の位置的な干渉により枕ばりの配置に制限を受ける台車
  • 軸重補償を必要とする台車

前者はおもに気動車で1台車2軸駆動を行う場合に採用される。気動車ではエンジントルクコンバータを車体に装備し、台車へは推進軸により駆動力を伝える。このとき、エンジン寄りの1軸のみを駆動する場合は問題とならないが、1台車の2軸両方を駆動する場合は、輪軸間にも推進軸あるいは平歯車による動力伝達装置が必要となり、それらが枕ばりと干渉し台車の部材配置が困難となる場合がある。このような場合には、心皿や枕ばりを持たない仮想心皿方式が有利となる。

写真3-4 仮想心皿方式による台車

もうひとつは、特に列車牽き出し時等に軸重補償を必要とする車両用の台車である。輪軸に作用する軸重は車両の粘着力に影響し、適切な軸重は空転を防止するために必要である。しかし、軸重は走行路線の勾配や車両の引張力の影響により、他の輪軸に移動する性質がある。とりわけ急勾配で大きな引張力を必要とする機関車では、軸重の移動による影響が大きい。これに対し、仮想心皿方式を採用しボルスタアンカーや引張棒を低い位置に配置することで、軸重の移動を防止することができる。

写真3-4に仮想心皿方式による勾配線区用機関車の台車事例を示す。これはジャックマン方式と呼ばれるもので、ボルスタアンカーに相当する引張棒が車体(写真右側)と枕バネ直下を低い位置で結んでいる。枕バネの直下にはクランクピンが設けられており台車を回転させる機構を有するとともに、引張棒は低い位置で軸箱を経由しており台車に対する力点を下げることで軸重を補償する構造となっている。

トラニオン

上田丸子電鉄ED25 1ブリル27MCB-2台車。ブリル社純正品の証である、トラニオン(関節の付いた小さな斜めの部品)が台車枠中央の揺れ枕上部とガゼットステーを結ぶ形で残されている。

トラニオンは、アメリカのJ.G.ブリル社が1900年代初頭に開発し、Brill 27MCB・76E・77Eなど同時期に開発された同社製ボギー台車に装着された、揺れ枕の揺動を抑止するための機構としてのボルスタアンカーの始祖である。

これは台車側枠とトランサム(横梁)を結合するためのガゼットステーと枕梁の間を、トラニオン・タイロッドと呼ばれるリンク機構で連結し、リンクの各関節部に組み込まれた可動ピンの摩擦力によって枕梁の過剰な揺動を抑制するものである。

この機構は、単純ながら台車の乗り心地改善に大きな効果を発揮するものであった。しかしながら、開発元であるJ.G.ブリル社はこの機構を含む台車設計に関する各種独自開発機構を全て特許申請したため、世界各国で製造された同社製台車の模倣品ではこの機構を採用できず、広く普及することはなかった。

なお、日本では日本製鋼所がJ.G.ブリル社と提携関係にあったため、同社で製造されたライセンス生産品のブリル台車(新京阪鉄道P-6形用Brill 27MCB-4Xなど)にはこのトラニオンが取り付けられていた。

ヨーダンパとボルスタアンカー

ボルスタアンカー
ボルスタアンカー
ヨーダンパ
ボルスタレス台車とヨーダンパ
実車の例 ( 名鉄2200系 )
Yaw damper 001.JPG

枕ばりを持たないボルスタレス台車には、ヨーダンパと呼ばれる部材が設けられることがある。ヨーダンパはダンパを介して車両と台車を接続しているもので、ボルスタアンカーに似た形態を有している。しかしながら、その役割は蛇行動と呼ばれる台車の異常振動を抑制するものであり、牽引力の伝達を目的としたボルスタンカーとは機能、構造ともに異なるものである。

ボルスタアンカーも蛇行動を抑制する機能を副次的に備えてはいるものの、牽引力やブレーキ力の伝達がその主たる機能であることから、ボルスタレス台車においてはむしろ牽引装置がその役割に相当する。

右図は曲線通過時におけるボルスタアンカーとヨーダンパの動きを比較したものである。ボルスタアンカーは牽引力を台車から車体に伝えるため、曲線通過時でもアンカーは伸縮せず、枕ばりの前後方向を拘束している。台車の回転は枕ばりと側受が滑ることで許容するが、枕ばりから台車枠へは中心ピンにより牽引力が伝わる構造である。

これに対しヨーダンパは、台車の回転にともなってダンパ部分が伸縮して回転を妨げない構造となっており、牽引力の伝達を行うものではない。ただし、ヨーダンパは図に示すような曲線通過時の緩やかな台車回転には抵抗しないが、蛇行動のような比較的動きの速い台車の回転振動に対しては、ダンパが減衰作用を発揮し蛇行動を抑制する構造となっている。

脚注

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  1. ^ ボルスタレス台車では、枕バネに横方向変形能力の大きなダイヤフラム型空気バネや低横剛性空気ばねを採用している。これらは、水平面内の許容変異量が従来のベローズ型空気ばねと比較して格段に大きく、この特性を用いて枕バネに台車の旋回性能を与えている。
  2. ^ スウィングハンガー式台車の場合、古くは荷重支持はその大半を心皿が受け持ち、側受は車体との間に数mmの隙間を設け、曲線通過等による車体傾斜時の支持にのみ用いる、心皿支持方式と呼ばれる方式が一般的に行われていた。しかしながら、軽量化の研究が進み荷重を枕ばねに近い両側部で受けた方が部材断面の縮小による軽量化に有利であることが明らかとなり、また高速走行時の蛇行動についても側受の摺動面の摩擦によって抑止が可能であることが明らかとなった。このため、高速台車の研究が進展した1950年代後半以降、特に日本の鉄道では荷重を側受に分担させる側受支持方式への移行が進んだ。
  3. ^ 現在では一般的には可動ピンを使用する。ただし、一部の私鉄ではこのピン構造を採用せず、上下の支持板にそれぞれに丸い穴を空けてそこにボルスタアンカー本体となる腕部を通し、支持板の前後から防振ゴムブッシュとナットで固定する方式が採用されている。こちらはボルスタアンカー本体の固定・支持に用いられるゴムブッシュの弾性変形により枕ばねの上下動が抑制されつつも許容される。そのためこの方式は京阪京成といった比較的曲線の多い軌道条件の私鉄を中心に現在も継続採用されている。
  4. ^ 東京急行電鉄5000系5200系に装着。日本におけるインダイレクトマウント台車の最初期例であるが、同時に中心ピンのみで車両の重量を支える1点支持を止め、常時側受が心皿と共に荷重を負担する3点支持に移行した最初期の台車の一つでもある。

参考文献

  • 伊原一夫『鉄道車両メカニズム図鑑』グランプリ出版、1987年(978-4906189649)

関連項目


外部リンク