近江鉄道モハ131形電車

近江鉄道モハ131形電車(おうみてつどうもは131がたでんしゃ)は、近江鉄道に在籍した電車の形式。入線から廃車まで編成を組んだクハ1214形電車もここでとりあげる。モハ131、モハ132、クハ1214とクハ1215の総数4両。1995年前後に3両が廃車となってしばらく、単独で残っていたクハ1215が2004年7月に廃車となって系列は消滅した。わかあゆ、かぶと虫、チューリップの塗装がされていた。

概要

旧西武の木造車体

1949年(昭和24年)3月認可で借り入れ、翌1950年(昭和25年)譲受した西武鉄道の制御電動客車モハ131、132と1950年(昭和25年)借り入れ、翌年譲受の西武クハ1203、1204がその前身である。いずれも木造ダブルルーフ。入線にあたって改番はされていない。モハは1925年(大正14年)汽車会社製造。クハは池袋 - 所沢電化開業にあわせて1922年(大正11年)に製造の梅鉢鉄工所製で自重21t、定員107名、最大寸法15,860×2,630×3,613 (mm)、台車TR-10。

1957年(昭和32年)8月シングルルーフに改造、クハ1204、1205の1214、1215への改番がなされた。1961年(昭和36年)から翌年にかけて台枠再用の上、自社で製作した近江形の構体に乗せ換えられた。この時のモハの諸元は最大寸法16,015×2,758×4,182 (mm)、自重30t、定員110名、制御方式RPC、電動機105PS×4個であった。

近江形の車体

この時に採用されたデザインが続くモハ1形の車体更新にも使われ、「近江形」とよばれる形態のグループを作る。当時流行の湘南形の先頭部、ノーシルノーヘッダーの側面にはアルミサッシの窓枠と近代的な車体を持つ。

2編成の間には製造時期の違いで多少の形態的差異がある。先に更新された132-1214はヘッドライトが窓下の左右にあり、おでこに行先表示幕があった。後の131-1214はヘッドライトがおでこに移り、行先表示は窓下中央に表示板を差し込む形となっている。1年ほど後に132-1215も同じ形に改造されたが、これは左右2燈で夜間に自動車に間違えられないためという。その他にも、正面雨樋の処理や戸袋窓などに違いがあった。

イラストの描かれた車体

滋賀県の「さざ波きらめく近江路へ」のキャンペーンが1983年(昭和58年)に開催されたことに協賛し、同年4月にモハ132-クハ1215に「チューリップ」塗装をした。当時、鉄道車両の塗装は水平方向の塗り分けあるいは帯だけでデザインは非常に限られていた(国鉄185系電車を参照)。そこに現れたイラスト風の塗装は他に例を見ないものとして、鉄道雑誌にもとりあげられた。沿線にも好評で、続く7月にはモハ131-クハ1214に「かぶと虫」塗装がなされた。1985年には引き続く観光キャンペーン「だから!滋賀」に協賛してモハ131-クハ1214が「わかあゆ」塗装に改められた。これら塗装は休車が長く続く時期にあっても彦根の車庫で見ることができた。

諸元

白土 (1970) による。#は京大鉄研 (1987) 。

モハ131、132

  • 最大寸法 長 15,890×幅 2,740×高 4,220 (mm)
  • 自重 31.48 (36.0#) t
  • 台車 DT-10 (DT-12#)
  • 電動機 105PS (MT-15C 104kW#)×4個
  • 制御装置 CS-3 (電磁空気カム式 CS5-9+CB8A#)
  • 制動装置 AMM (AMA#)
  • 製造年月 1925年(大正14年)4月
  • 製造所 汽車会社
  • 定員 112 (122#) 名

クハ1214、1215

  • 最大寸法 長 15,890×幅 2,740×高 3,835 (3 917#) (mm)
  • 自重 22.54 (24.5#) t
  • 台車 TR-11 (TR-11A#)
  • 制動装置 ACM (AMA#)
  • 製造年月 1922年(大正11年)4月
  • 製造所 梅鉢鉄工所
  • 定員 112 (122#) 名

関連項目

参考文献

  1. 白土貞夫 「近江鉄道」上下(私鉄車両めぐり83) 『私鉄車両めぐり特輯』第3輯、鉄道図書刊行会、1982年、265-284頁、ただし記事の掲載は『鉄道ピクトリアル』239-240号、1970年。
  2. 京都大学鉄道研究会 「車両」『京都大学鉄道研究会雑誌』23号、京都大学鉄道研究会、1987、1-21頁。
  3. 岸上明彦 「2004年度民鉄車両動向」『鉄道車両年鑑』(鉄道ピクトリアル2005年10月臨時増刊号)767号、鉄道図書刊行会、2005年、90-113頁