黄金虫

黄金虫』(こがねむし、おうごんちゅう、原題:The Gold Bug)は、エドガー・アラン・ポー推理小説1843年6月に Philadelphia Dollar Newspaper で発表された。


初の暗号小説としても有名であり、ドイル(「踊る人形」)や乱歩(「二銭銅貨」)に影響を与えた。

概要

作者は、暗号に詳しく、1839年から Alexander's Weekly Messenger で読者に「どんな暗号文でも解読してみせる!」と宣言し、その後、数ヶ月に渡って寄せられた、読者からの投書に回答を与え続けたという。また、その様子が Graham's Magazine にて「暗号論」なるエッセイ(1841年)で紹介されている。

その2年後に「黄金虫」は発表された。作者の暗号解読の知識と経験を元にした、解読できない暗号文は無い、という主張が具体的に分かり易く展開されている。

19世紀中頃において、暗号がどう理解されていたのかの一面を知ることができる。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


名門の生まれながら落魄し隠遁生活をしている主人公はある日、黄金色をした珍しい甲虫を発見した。それを友人である小説の語り手に告げるが、その途中から様子がおかしくなる。その後、主人公は部屋に篭ったままろくに食事も睡眠もとらなくなり、召使によるとその虫を本当に黄金でできていると思いこんでいるとのことで、心配した語り手は主人公にどこかで療養するように説得に行く。それを聞いた主人公は大笑いして、「僕は気が狂ったのではない、キャプテン・キッドの財宝を見つけたんだ」と告げる。以下、暗号の謎が解き明かされる。

登場する暗号文は、火で炙ると現れる隠し文字が単純な換字法を用いて暗号化されているもので、英語文の文字や単語の出現頻度から解読を進める手順が良く解説されている。

意外な暗号の隠し場所とオーソドックスな暗号解読の推理小説的要素に加えて、この時代に流行した隠された財宝を探す冒険小説的要素も含んだ佳作である。

関連項目

外部リンク